日本山岳会福島支部のブログ

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2017年07月


      吾妻連峰大倉川源流 最大の瀑布・小滝(58m)から暑中お見舞い
 吾妻連峰大倉川源流には2つの大きな滝がある。谷地平湿原から北方に向かって山稜を望めば、左から扇状に聳える中吾妻、東大巓、昭元山、烏帽子山、家形山、五色沼鞍部、一切経山と連なり、五色沼を源とする大倉深沢、東大巓を源とする沢など数条の流れが谷地平に集められ、ここで一つの流れ「大倉川」となって谷地平を一挙に流れ落ちる。
 ここが小滝と呼ばれる大瀑布で、その高低差は58m(実際に測定した高さ)。実に見ごたえのある瀑布である。最近では登山道も荒廃し、籠山稲荷神社下を通って小滝に下ることになるが、クマザサが被い繁りそのふみ跡を辿るのも一苦労。特に大倉川に一挙に下る急峻な登山道は、踏み跡のみで支点さえなく危険なルートで、とても初心者がたどりつける場所ではない。(過去数件の滑落死亡事故も発生している。)
 その危険な降下道を下り始めると「ドドドドドドドドッー」と滝の流れ落ちる水音が聞こえ始め、大倉川に下り切ったところから右岸を上流に約10分ほど登ると小滝の全貌が見えてくる。滝つぼへはいったん大倉川を渡渉するがそれほどの危険はない。
 まったくの言いがかりになるが、小滝が流れ落ちるところからすぐ右に視線を移すと「観世音菩薩」のようなものが見える。見る人によってはただの岸壁か。今からかなり前、福島県内を襲った「8.5水害」では、大倉川が大暴れして、山形の方が深夜、下流の橋が流出しているのに気付かず、橋があるものと思い込んで突っ込みそのまま行方不明になった事故が発生した。観世音菩薩はその時自然に刻まれたのかもしれない。

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 ここからは動画、今から20年くらい前の9月初旬に撮った小滝であるが、今でいうマイナスイオンが凄かった。一人の渓流釣り人がいて、大きなイワナをキャッチアンドリリースしていた。ここは別天地といっていい。こんな隠れた場所があって日長一日過ごすのも一興でないか。今年の吾妻は残雪が多く、小滝の水量も多いのか。
 参考まで吾妻小富士の画像も参考まで。一切経からの撮影でした。

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 http://https://www.facebook.com/nobuo.watanabe.169/videos/690425904452079/  上のアドレスをクリックすると、小滝の動画が見れます。
 

  日本山岳会福島支部の「年間活動計画」に高山登山道整備作業を組み入れました。吾妻スカイラインの浄土平駐車場を過ぎ、南に約2キロ進むと高山登山道入り口があります。
 自動車道から歩くこと3分、鳥子平湿原が広がり今がワタスゲの満開でした。ここのワタスゲは背丈が20~30センチほどあり見ごろです。

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  鳥子平湿原から高山へは直登の登山道路ですが、クマザサが覆いかぶさり、道迷いする心配はないものの、特に雨天時には笹の葉についた水滴でびしょ濡れになってしまいます。さらに登山道は壁土(かべつち)で滑りやすく、そこに刈り払いした笹が自然に敷き詰められこれが緩衝材となって登山道の荒廃(雨水による土砂流出)、転倒防止にと一石二鳥の整備作業でした。
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 上の画像は高山頂上付近です。午前9時から支部会員7人が3時間30分かかってしまいました。下刈り機械1台がフル稼働してようやく完璧な登山道となりました。
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