杉田林ブナ原生林の中で
2024年3月3日(日)福島支部月例山行第一弾として、積雪期でないと中々行けない安達太良山中の貴重なブナ林を通り爆裂火口の淵にある船明神山(1,667m)を訪ねる山旅を実施した。
この登山ルートはあだたら山域でもかなりレアーなトレッキングルートとして、基本積雪期でないと訪れることのできない貴重なブナ原生林に加え、その後150mの急登のすえに安達太良エリアでは珍しいアオモリトドマツの群生地を通り、展望の開ける森林限界から30分ほどで安達太良火山の爆裂火口に至る素晴らしいスノートレッキングルートである。
<山行状況>
この日は2日前の南岸低気圧による雪が30㌢ほど積もった後に昨日の冬型の雪が混ざり合い、合わせて50㌢ほどの積雪量となったため、スノーシューでも膝下までのラッセルを強いられた。
時間も当初予定していたコースタイムを大幅に超過してしまい、杉田林のブナ林に到着したのも11時を回っていたため、この先の急登から森林限界に到着するのも13時を越えてしまう予想となったのと、一方先日からのニュースでも各地で雪崩による死者も出ている報道もあることから、今後の疲労と安全を考えてこの先の急登を断念しここから下山することに決めた。
そのような訳で杉田林のブナの主の袂でゆっくりと昼食を摂る。下山は登りのトレースを軽快に下り13:30無事出発地点の駐車場に到着した。今回は船明神山の山頂を踏むことはできなかったが、楽しみを後に残し、大自然を堪能できた有意義な登山であった。
写真で登山の様子を振り返る。
ラッセルを交代しながらたどり着いた巨大なブナの前で
(杉田林ブナ林の入り口のブナの主の前での一枚)
更にブナ林に分け入ってゆく
今年は異常な雪の少なさ、2月の高温ではこの辺の雪も消し去ってしまっていたようである。例年の3分の1もないくらいで、手前の小さな灌木や笹が見えるのも不思議なくらいである。
ブナの主の前に土俵のような円陣を作りゆったり昼食タイムと相成った。
「この兎のような、はたまた(V)o¥o(V)星人のような代物は何だ!!」と一瞬叫びましたが、すぐにネットで調べたらこれはオオカメノキの冬芽だとわかりました。周りに目を止めて自然観察してみると意外に面白いものがありますよ。がお~っ!
角度を変えて撮影していますが、奇麗なキノコが枯れ木に花を咲かせていました。サルノコシカケの赤ちゃんにも見えますが、「これは新種だこれは絶対新種だ!」と叫ぶ会員さんが。まーそんなことはないとは思いますが、とにかく自然の森にはいろいろと楽しいものが満ち溢れています。皆さんも雪山に出かけて思いっきり楽しんでみましょう。
写真・文 佐久間隆夫
写真・文 佐久間隆夫