日本山岳会福島支部のブログ

日本山岳会福島支部の活動を掲載する

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雄国沼の小島から見る雄国山の稜線

2024年3月10日に計画していた猫魔ヶ岳~雄国沼~雄国山へのスノートレッキングが前日までの悪天候により中止となり、翌日リベンジするも猫魔ヶ岳~雄国沼間のルートが雪崩危険のためルートを猫魔スキー場をスタートゴールとする周回ルートに変更をしたため、雄国沼ルートが取り残されてしまった。
そのため、翌週の16日に雄国沼~雄国山のスノートレッキングを計画したが参加者が集まらず私だけのソロ山行となったもの。その様子をご紹介いたします。 

<行程>
雄子沢登山口 →→ 沢狭窄地帯のトラバース →→ ブナ原生林地帯通過 →→ 雄国山分岐 →
雄国山稜線 →→ 雄国山山頂(1,271m) →→ 1,236mピークとの鞍部 →→ 雄国沼休憩舎(昼食)
→→ 雄国沼上散策 →→ 雄国山分岐 →→ ブナ原生林地帯通過 →→ 雄子沢登山口
《距離10.5km 行動時間7時間》


<山行コメント>
2024年3月16日早朝、完璧な晴れの中一路車で雄子沢登山口へ向かい7:20に無事到着。いつもなら道路わきの雪は3メートルはあるが今年は1メートル程度しかないので乗り越えるのが簡単だ。7:45登山口出発。
初めは、トチノキやミズナラの中を行く。
杉林を抜けるといよいよブナのお出ましだ。雄子沢の沢音の中にもう小鳥の鳴き声が聞こえている。ブナ林はとても明るく気持ちがいい。トレースもあり順調に歩を進めてゆく。

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ブナ林はいつ来ても明るくていいなーと思う
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空に向かって生き生きと成長している

やがて、谷は狭まり右肩上がりのトラバースが始まる。ざーっと沢の音も大きくなってきた。傾斜はかなり急であるがブナの林立する斜面は雪崩の危険はなさそうだ。ただ用心のため足早に通過する。

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急傾斜に立つブナ 青空に映える
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しかし周りにはいたるところに小規模な雪の崩落跡が
注意して足早に通過する

登山口から1時間20分ほどで雄国山への分岐に到着する。ここまで来るとブナ林はなくなり
前方に真っ白な稜線が見えてくる。左に道を取ればすぐに雄国沼休憩舎であるが、まず雄国山山頂を目指す。ここからは一気に稜線まで直登する。登るに従い素晴らしい雄国沼の全貌が見えてくる。
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稜線手前から振り返ると雄国沼の全貌が

稜線からは西に飯豊連峰、東に磐梯山や安達太良山を視野に入れながらの楽しい登りが続く。約20分程度で雄国山の山頂だ。
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飯豊連峰がでっかい
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遮るもののない稜線を東西の絶景を堪能しながら進む
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雄国山山頂で

山頂からは、少し北側のラビスパへのルートに入り、桧原湖越しの西大巓・西吾妻山、安達太良山、間近の磐梯山の雄姿をしばし堪能する。冬山ならではの景色が広がっている。
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桧原湖越しの西大巓と西吾妻山

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安達太良連峰と磐梯山
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稜線を引き返す。左の雄国沼が素晴らしい

山頂からは視界が良いので一路雄国沼まで直線的にショートカットで下ってゆく。この時間帯になるとかなり雪が重い。それでも下りは登りと比べ時間はあっという間である。35分で雄国沼休憩舎の裏に出た。まずはここで昼食を摂りそのあとは雄国沼上を探索する。
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あっという間に小屋に到着

雄国沼は、当初暖冬の影響で氷の状態があまり良くないかと心配していたら意外としっかりしている。おそらく3月に入り寒の戻りとそれなりの積雪で氷が成長したのかもしれない。
まず稜線上から島のように見えていた地点まで行って、木と雪と山のコラボでの写真撮影に出かけた。沼上は意外と積雪が少なく表面も締まっていて思いのほか歩きやすかった。
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休憩舎を後にしいよいよ沼上に入ってゆく
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沼上から見る西吾妻山方面
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私には、鶴の夫婦に見えてきた

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雄国山の稜線と枯れ木がベストマッチIMG_E1562
枯れ枝と青空そして西吾妻山

沼上散歩の後は、一旦雄国沼休憩舎に戻り、そこから来た道を1時間15分で雄子沢登山口駐車場に戻り無事帰宅の途に着いた。
今回は、天候の関係で猫魔ヶ岳と雄国沼を結ぶことはできなかったが、次回の楽しみにとっておきたいと思う。
写真・文 佐久間隆夫




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肌白のブナ林の中で新雪を遊ぶ

2024年3月の支部山行第2弾として、3月10(日)に当初猫魔ヶ岳から雄国沼・雄国山を経由して雄子沢登山口へ下山する周りの山々の超絶景と幽玄なブナ原生林の良いとこどりの山行を計画していたのだが、前々日からの南岸低気圧接近による悪天候と前日の冬型による吹雪に阻まれ、おまけに北アルプスや北海道での雪崩事故の報道もありこの日は山行を中止せざるを得なかった。
そこで1日山行を順延し、さらに雪崩の危険個所の通過を避けるべく、猫魔ヶ岳稜線からは雄国沼方面へは下らず稜線を磐梯山エリアの八方台を経由して猫魔スキー場に戻る安心且つ同時にブナ原生林も楽しめるルートに変更しトレッキングを実施した。

<行程>
猫魔スキー場(9:00) →→ 中央リフト上 →→ 猫魔カルデラ稜線 →→ 猫魔ヶ岳山頂 →→   
1,312mピーク →→ 八方台湿原〈昼食〉→→ 1,164mブナ原生林 →→ (14:00)猫魔スキー場
<標高差  400m  距離  7.2㌔  時間 約5時間>

<山行コメント>
当初スキー場右側のリフトより猫魔稜線に上がる予定にしていたが、2年前の豪雨による斜面崩落の復
旧がいまだ出来ず、リフトが運行停止となっているためやむなく中央リフト1,190mより入山する。
前日までの雪と霧氷により周囲は白一色の世界。2月の異常な暖冬から一気に冬に引き戻された。30分ほどで猫魔火山カルデラの外輪山稜線に到着。

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新雪をラッセルしながら稜線へ向かう

今日の天気は回復傾向との予報であるがまだ雲に覆われている。晴れるのを期待し前へ進む。
やがて稜線に到達し雄国沼への道の分岐に到着。このあたりから太陽が丸く雲の隙間にシルエットを見せ始めた。しばらく小枝の霧氷をストックでかき落としながらルートを東進する。
いつもなら雪の下にある灌木がガッチリ出ており進行のさまたげになっていた。1,400m付近の展望の良い小ピークで一服したのち稜線を猫魔ヶ岳に向け前進する。
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1,380m付近の稜線上で。右奥には雄国沼が見える
左から佐藤、高麗、三浦の各氏

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雄国沼全貌

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霧氷の森の中を猫魔ヶ岳山頂へ向かう(左奥が山頂)

10:20猫魔ヶ岳山頂に到着。ここで一気に青空が広がってきた。周りの山々はまだすべて見えてきたわけではないが、皆一気にテンションが上がり声も高鳴る。
ここでいわきから来られたという男女3人のパーティとの話題の中で、今磐梯山の南に聳える赤埴山南面に建設予定のテラスと猪苗代スキー場から結ぶゴンドラ建設による磐梯山固有種のバンダイクワガタの植生への影響をとても心配されていた。

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猪苗代湖をバックに(猫魔ヶ岳山頂で)

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猫魔ヶ岳山頂からの急下降。慎重に下る

猫魔ヶ岳山頂からは一気に高度を下げる。正面には磐梯山、左奥には吾妻連峰と安達太良連峰、右手には広大な猪苗代湖を贅沢に眺めながら霧氷の中の前進となる。このエリアは今年からアルツ磐梯と猫魔の両スキー場を統合したネコママウンテンスキーリゾートの中を進む。猫魔ヶ岳を下り始めたころから劇的に天気が回復し磐梯山も全容を現した。

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霧氷の先に磐梯山

スキー場に別れを告げ、いよいよ八方台へ広大なブナ原生林の中へ立ち入ってゆく。ここには夏道もあるが、夏にはない冬ならではの素晴らしい大自然がここにはある。葉を落としたブナの樹林帯はとても明るく灰色のブナの木肌と複雑な枝ぶりに青空と雪がベストマッチしブナ森の醍醐味を感じさせてくれる。

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八方台手前のブナの森で雪を楽しむ

間もなく、開けた八方台湿原の大雪原に到着だ。ここで昼食を摂る。
ここから先は登山道は無いが、携帯のGPSコンパス機能を使い猫魔スキー場へと戻る。ここも、冬だけにしか味わえない広大な素晴らしいブナの原生林の中を進む。最後の急下降に足を取られながらも13:50無事猫魔スキー場のゲレンデに到着。素晴らしい一日を楽しんだ。

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間もなく猫魔スキー場。
ここは、冬にしか行けない貴重なブナの原生林だ

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今回実施した山行のジオグラフィカデータ

写真 文 佐久間隆夫











JAC福島支部支部会員清野義美様から雄国沼スノートレッキングの記事が届きましたのでご紹介いたします。

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雄子沢登山口で(左:私清野 右:友人の佐藤さん)

3/10(日)の福島支部の山行が前日までの悪天候のため中止となってしまい、登山が3/11(月)に予定変更となってしまったが、私の友人2人が月曜日仕事で休暇が難しいことから当初日程通りの3/10に悪天候の影響を受けにくい裏磐梯雄子沢登山口から雄国沼に向けトレッキングに出かけた。

<行程>
雄子沢登山口出発(8:30) →→ (11:20)雄国沼休憩所〈昼食〉(12:00) →→ (13:40)雄子沢登山口着
15:30自宅に無事帰還

トレッキングはじめは、我々のパーティーが先頭であったため約20センチほどのラッセルをしながら進む。今回はあまり利用しないスノーシューを着用している。いつもはワカンが主流であるが、なんと自宅玄関に置き忘れてきてしまった。
ルート取り本来であれば雄子沢沿いを行くのであるが、今年は異常に雪が少ないため、すぐ先の杉林を夏道沿いにルートを取り進む。降ったばかりの雪がミズナラの大木に降り積もりとても奇麗だ。このころは時折薄日のさす天気の中を進む。

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ミズナラの木の前で(友人の佐藤さんと私)

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友人の山岸さんと佐藤さん。元気いっぱい!

しばらく緩やかに登ってゆくと、後ろから7名のスキーパーティーが追い付き先行してもらう。踏み跡を利用させていただき労力半減、ラッキーでした!
今回出会ったのはこのパーティーのほかスノーシュー組が4組で日曜日にしては静かな山旅であった。
やがて狭い雄子沢の地点を通過して、いよいよ雄国山の下部を通過すると一面のブナの原生林の中を行く。枝に雪が付いていて上部の枝先にはほんのり霧氷が付き始めている。そんな幻想的な森の中を進む。やはりブナ林はいいなとつくづく思う。
ブナ林を過ぎると一気に展望が開ける、はずなのだが、視界は悪く周りの山々の景色を堪能することはできなかった。
雪が少ないせいなのか木の背が高く、ルート取りが難儀する場所もあり早々に雄国沼休憩所に向かい昼食を摂る。雄国沼は一面氷と雪に覆われているものの、今年の暖冬で氷の状況が判らないので沼上散歩はせずに来た道をもどることにする。

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休憩所前から見る雄国沼

13:40無事登山口の雄子沢駐車場に到着、帰途に付く。

            写真及び文  清野義美



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